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「この次のために、だ。はぁ、先が思いやられるな」
紅い球体が輝く。
「我が僕を召喚せん。我願わん。闇を従えし、創造と消滅を司る死神たる天使。裁きを与えよ。滅びを受けよ。その大罪は我にあり。世界は、全てを受け入れよう──」
クラウドは右腕を横へと振るう。
紅く巨大な魔法陣が浮かび上がる。それは浮かぶと同時に回転を始める。
「今度ばかりは世界に馴染めよ」
────
「これが薫香良さんの……」
暗がりの部屋で金髪金目の青年セツナ・クロムウェル・ヴァイツァルはそれをまじまじと眺めていた。
反りのある灰銀の刃に鈍い金の鐔。そして、同じ色の柄に黒い柄布。
薫香良の愛用していた日本刀がそこにあった。
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