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セツナとダイルは最重要書類保管室を出、総本部長室へと戻った。
ダイルは自身の椅子に腰掛け、セツナは来客用のソファに座る。
「そういえばリリィちゃんはどうしたんですか? 家出ですか? 喧嘩ですか? 愛想尽かされたんですか?」
「それは私に喧嘩を売っているんだよね?」
ふふふ、とダイルは薄く怒りを浮かべて笑う。が、それはすぐさま消え、いつも通りの微笑へ戻る。
「リリィちゃんは行方不明なんだよ」
「それはまた突然な……じゃなくて、探さなくていいんすか!? 義理とは言え、愛娘なんでしょう!?」
「まあ、そうなんだけどね……」
歯切れ悪く曖昧に答えた。
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