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「な、ななな、ななななな──」
「ホント、優しいし、可愛い。いつも強気で凛々しいのに、こういう時はきちんと可愛くなってくる。まあ、ミラは不本意だろうけど、俺はそんなふうにコロコロと表情を変えるミラが大好きだ」
「~~~~ッ」
言葉の連撃に加え、ブライはミラを優しく抱き寄せた。互いの心音がはっきりとわかるほどに身体を密着させる。
鼓動と共にもう一つの“揺れ”をミラは感じた。それによってミラの紅潮した頬は冷めていき、ミラもブライを抱き返す。
「まったく。いつもにも増して歯が浮くような台詞を吐くと思えば、あんた、手が震えてるじゃない」
互いを抱く力が強まった。
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