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「あ、ホントだ」
わざとらしくブライはそう言う。流石に声まで震えていることはないが、彼の両手は確かに震えていた。
「ミラには隠してようと思ってたのに。なぁーんで上手くいかねぇんだろ」
「で、なんで震えてるの?」
「知るか」
「つ る す わ よ ?」
「言います言いますっ! 背骨が死ぬぅぅぅぅっ!」
背中に回されたミラの手に力が入ると同時に、屋上から学院全域に鈍い音とブライの叫びが木霊した。
数分してから、
「話すの? 話さないの?」
「わかったよ。話すから薙刀だけは勘弁」
わりと平気な様子で謝りながらブライはミラを抱き締め直した。
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