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夜中の病院。リオンの眠る病室。
時刻は午前一時二十七分。
病室内では、リオンの他にティア、レイド、アキの三人が付き添い用の簡易ベッドで眠っており、個室のわりに意外と人工密度の高い病室となっていた。
その病室に入ってきたのは、桃色の瞳に桃色の髪を後ろで一つに束ね、ラグジールの高等部女子の制服を着た女性。天堂千咲(テンドウチサキ)だった。
ティア達の合間を縫い、千咲はリオンのベッド脇に寄る。
千咲がリオンの顔を見るのはかなり久しぶりのことだった。
「やはり、易々と諦められないものだな……」
千咲は右手でリオンの頬を撫でた。
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