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「なあ、リオン……? 私は、私はいったいどうしたらいい?」
千咲のその桃色の瞳からポロポロと涙が零れ始めた。涙はリオンの頬に零れ落ちた。
「私はまだ兄さんの死が受け入れられない。まだギルドに捕まっているグレイ達を許すことが出来ない。未だに憎たらしくて……殺したくて仕方がない」
だが、と千咲は涙を拭う。
「私の中では、グレイもまだ友達なんだ。私は友達を殺したいと思ってしまったんだ……。私は、いったい、どうしたら……」
零れる涙は止まることを知らず、拭っても拭っても止まらない。
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