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「『どうしたらいいかなんて誰にもわからない。それが当たり前なんだよ、千咲。気に病む必要はない』」
いきなり病室の窓のほうからそんな“リオンの”声が。しかし、リオンは今も寝息すらたてずに深い眠りに就いている。
声がした方へ千咲はサッと振り返る。
「『今すぐに無理矢理答えを出す必要はないよ。焦って出した答えに意味なんてないんだからさ。千咲は千咲らしく頑張ればいいんだ。誰が何と言おうと、きっとそれが一番なんだと俺は思うよ』──か。リオンにしては良いことを言うではないか」
月明かりに照らされ、姿を現したのは、ラグジール高等部の制服を着たクラウドだった。
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