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だが、とクラウドは一句切り入れ、目付きを変える。
「急げとは言わん。だが、問題を先送りにはするなよ。それはただの甘えだからな」
それだけ言ってクラウドは右腕を軽く振る。腕が完全に振り下ろされた頃には、クラウドはもうその場から姿を眩ませていた。
クラウドが帰ってから約二分。千咲は動きだす。
「ありがとう、リオン。どうにか考えることが出来そうだ」
桃色のポニーテールを揺らし、踵を返してリオンの部屋を後にする。
──まだ答えは見付かっていない。だが、放棄しかけていた考えることを選び直すことが出来そうだ。
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