魔法陣に乗せて…†Third†

胎動 ～Waking to Approach～

言霊を真っ二つにされた『Σ』は、追撃を中止して一度地面に降り立った。

それを不審に思いながらもリオンも身体の勢いを止めつつ、地面に足を付け、月霞を地面から抜き取ると同時に真横へ瞬動で駆けた。

ニヤッと笑みを浮かべた『Σ』に違和感を覚えながらも再び残像を残す速度で撹乱しつつ『Σ』へ斬り掛かる。

リオンが足に力を込め、渾身の力で飛び込んだ瞬間に『Σ』が左腕で空間を薙ぐ。

「そぉら、見とけよ。これが“必殺”だ」

紅いオーラが『Σ』の身体から吹き荒び、そのオーラが突っ込んできたリオンを“受け止めた”。