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「おいおい、これはただの実体持った気だぞ?」
『Σ』のその声がリオンに届いた瞬間、紅いオーラを引き裂いて『Σ』を目指す今し方リオンが放った『鎌鼬』に異変が起こった。
ヴ、とノイズのような音と共に『鎌鼬』が消滅した。
さらに引き裂いた紅いオーラは引き裂かれたまま、リオンに向かって直進してくる。
「風掃波!」
両の大剣をクロスさせ、それを振り払う動作時に魔力が込められた突風が紅いオーラの腕を打った。
紅いオーラの進行方向がずれ、『風掃波』により、迫る速度が落ちた。
その僅かに生まれた時間を利用して、リオンはさらに後方へと跳び、地面へ着くや否や『Σ』目がけて駆け出した。
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