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おそらく今までの紅いオーラは防御に特化した形で、今の形は攻撃か高速移動に特化した姿なのだろう。
リオンはそう思考を巡らせ、身体に命令を出す。
今、リオンと『Σ』は時折牽制程度に剣と拳を交え、即座に再び超高速での間合いの確保のし合いへと戻る、という硬直状態になっている。
最後の手たるそれはまだきちんと在る。技を返された時は、意識を逸らされ、技を解きそうになったが、それも耐えた。
これが効くかは正直なところ、リオンにはわからない。
それでも出来うる限りの全力を尽くす。
まずはそれを出したことを『Σ』に忘れさせるためにも──
リオンは限界ギリギリまで速度を上げた。
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