12人が本棚に入れています
本棚に追加
「今の百均っていろいろあるね」
「だから来たんですよ」
今の葛城となら服とかを見に買い物へ行った方が様になるが、そうはいかない。
今必要なのは、資料整理のための用具類。
昨日のようなファイルなどの他、棚代わりになるような物も物色する。
「そう言えば、先生はなんで授業中と今じゃ態度が違うんです?」
問われた葛城は苦笑しつつ、カゴの中身をいじくりながら話し出した。
「あぁ、生徒達に軽く見られると困るから授業中は強気でいるんだ」
それもそうか。
「前にいた所では生徒達が全然話聞いてくれなくて騒いでばかりだったんだよ……」
「でも、うちの学校にほとんどろくな先生いないから、葛城先生は身だしなみがアレだけど、いい先生だと思いますよ?」
労いも兼ねつつ本心からそう言ってやると、思いの外じーんと来たらしく涙目で感動してた。
「よしよし、先生はいい先生ですよ」
ちょっと苦笑しながら頭を撫でてやると、葛城は恥ずかしながら、でも嬉しそうに笑った。
いつの間にかあたしの胸は、少しだけ鼓動が早くなっていた……
最初のコメントを投稿しよう!