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それから小1時間、あたしと葛城は準備室掃除に明け暮れた。
「はあぁぁぁ……疲れた」
部屋いっぱいに物があるのもそうだが、実験器具などもあったため予想以上に手こずり、必要な教材やプリントばかりらしくそんなに捨てることもできなかった。
実験器具以外の大体の物は段ボール箱などに詰め込み、倒壊の危険性をなるべく減らした。
それから物が置かれ、本来の機能を果たせず埃や蜘蛛の巣があった長テーブルやパイプ椅子なども綺麗にした。
「葛城先生」
やっと開けた床に仁王立ちし、床でへたれる葛城に声をかける。
「ハ、ハイッ!」
葛城は片付けるのにいろいろ指示、もとい命令したせいか、声をかけた瞬間その場で正座してすっかり下っ端状態になっている。
「休憩しましょう」
「そ、そうだね」
綺麗にしたパイプ椅子に座って休憩。
何かいつもの淡々というかふてぶてしい感じが今の葛城には全然しないので少し調子が狂っている。
しかも、いつも使っているのか埃を被っていない電気ポットとお茶セットで、せこせことお茶(パックだが)まで作って出してくれた。
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