孤独な家族

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まずは私の5人の家族から紹介します。 お父さんとお母さんは18歳差で、出会いは母が働いていたキャバレーに客で父が飲みに来たことが始まり。 お父さんは有名な元○○会の組長を務め理事長レベルで、女好きで金も貫禄もある凄腕のいわゆるヤクザだった。 お母さんは元ヤンむきだしだけど誰もが認める綺麗な人。 兄2人はお父さんの連れ子。私の10と12コ上。私よりお母さんの方が年が近い。 そんな家族は別々の場所でそれぞれの孤独をかかえていたが、一つの家族になり、そして5年も経たないうちにまた別々の人生を歩んだ。 父はイケイケヤクザになりはじめに1人の女性と結婚し2人の兄が産まれた。その後、2人は兄達が小さいうちに離婚をしたという。 まだ幼い兄達は兄のお母さんと団地に3人暮しを小学生くらいまでしていた。で父は兄達が暮らす玄関のポストへ気まぐれに100万円の束を年に数回入れ毎回息子に会うことなく去っていた。 そして上の兄が中学3年のある日、父がまたポストへお金を入れに玄関までいくとなんとなく変な予感がした。扉を開けてみるとそこは部屋が荒れ果てカップラーメンの山でとても的もな生活観がうかがえなかった。 兄達に問い質す。 「お母さんはどこだ!」 沈黙の後、 「青森の実家に一人で行ってきますと言って青森の病院で死んでました」 「?!」 父はこれまでにない責任感を感じただろう。 兄達の話では、 兄達のお母さんは青森の実家で病気を患いそのまま息を引き取ったと、。 そしてそれが上の兄が中学1年のこと。 それからはまだ幼い2人は二人で暮らしていた。父を頼ることもなく。 兄が親代わりとなり弟の面倒を見ていた。弟の遠足にはコンビニのパンや弁当を持たせ、家事は手探りで全て上の兄がやり、弟の通信簿の保護者の欄には兄が記入していた。 12~4歳の普通の家庭の子は外で無邪気に遊んでいるはずだが、弟を守ることに必死な兄は誰も信用することなく学業と家事に専念した。 寂しさは勉強で紛らわせていたのだろう。
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