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しかし、私が年長にもなると待ちきれない父は迎えに来て、優しいおじいちゃんとおばあちゃんにどなり散らした。
「返せ!!」なんて言って。
私は絶対に千葉県の家に行きたくなかったが、大好きなおじいちゃんとおばあちゃんが怒鳴られている姿を見ていられなかった。
母は私の好きなようにさせたかったようだが、同じく見ていられなかったようで、
近くのスーパーに母と2人で来て、気の強い母だが悲しい顔を私に見せ、
「千葉のおうち来て・・・」と言った。
そこで初めて私は
『この人は私のお母さんだもんな』と思い、
この時初めて
「お母さん」って
照れながら言ったのを鮮明に覚えている。
そして泣く泣く実の家族が住む千葉県へ。
私も1年遅れで奇妙な新生活をスタートさせた。
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