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――ついに……チャイムが鳴った。
やべぇ……
ぐずぐずしてる暇はねえ!!
久留米 光 くるめ ひかる、
てか俺! 男だろ!?
あぁ、早くしないとさつきが去っていく……
もうチャンスはないと
思った方がいい!
髪の毛くるくるの
天然パーマでもいい!
球技大会で野球もテニスも
出来なくてモテなくたっていい!!
そんなものより男にゃ無くしちゃいけない“タマ”があるんだよ!
ついてるよな!? よし! 行くぞ!
体育館のドアから廊下に出ると吉田さつきの後ろ姿が見えた。
――きょ、今日こそ聞くぞ!
俺は口を開いた
「吉田ぁ……」
…………。
ああ! 振り向かねえ!!
そりゃ、こんなすずめのような声じゃ届かないよな……
もう一回だ!
俺は深呼吸をした
そして……
「吉田!!」
すると……聞こえたのか?
さつきが振り向いた。
「?????」
さつきはちょっと困った顔をした。
名前を呼んだのは俺だということに気づいてないらしい。
――俺は目をつぶって言った
「あのな! 吉田!
もしよかったら、よかったらでいいからメアド教えてくれないか?」
すると……さつきはすぐ去って行って遠のいてしまった。
あ……
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