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「さぁ、ありがとう瑞穂さん。暗くなる前にお帰りなさい」
「は、はい!それじゃあさようなら!」
大人二人の顔もうまく見れないまま鞄を持って走り去る。
このままいては墓穴を掘りそうだからだ。
全力で走って階段をかけおりたらだんだんと顔が熱くなって呼吸が荒くなるのがわかる。
先ほどよりも汗が吹き出た。
(うわぁああああ)
頭は真っ白でパニックになっている。
数人の生徒や先生とすれ違ったかもしれないがそれもよく覚えてない。
全力で廊下を走って靴をはき、グラウンドを突き抜ける真ん中当たりでようやく力尽き立ち止まる。
ゼイゼイと呼吸を整え図書室の窓を見上げるとまだ有明の姿がありこちらを見ていた。
「!」
瑞穂に気づいた有明はにっこり笑ったままで人差し指を口にあて、「しぃー」っとナイショのポーズをして窓から消えた。
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