有明先生と瑞穂さんと有馬さん

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その後も資料作成を進め、時間はもうじき7時になろうとしていた。 「キリがいいので今日はこのあたりにしておきましょう」 瑞穂と有馬は「ぶはーーー」と大きくため息をついた。 (疲れた…) 夏とは言え外は薄暗い。 窓からはグラウンドと体育館が見え、まだ運動部は活動していた。 (今日は先生のことちょっとわかった気がする) (よく考えれば先生とは普通に話す程も話したことなかったんだな) (先生と生徒ときちんとわきまえてる割には意外に話しやすかったし) (だから余計に人気があるのかな) 有明に対して逃げ腰ではあるが瑞穂は何も考えていないわけではなかった。 自分を好きだと言ってくれた人。 これにどういう心理があるのかはわからない。 有明のことはよく知らないけれど、知らないからと言って好きな人がいるわけではないのに知らないまま断ってしまうのはよくないと考えていた。 瑞穂が有明のことを知らないのは彼だってわかっている。 有明が瑞穂に告白したのはきっと、自分のことを知ってもらうためでもある。 『こうやって今は俺の存在を見てくれてる』 『言ってよかった』 あの時の有明の言葉を思い出す。
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