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自分も先に帰ってしまおうと思ってたが、なんだかほっとけない愛野先生を待っていようと椅子に座りなおす。
「そうだ、辞書・・・」
辞書を受付に持ってきておきたかったが薄暗いあの場所へ一人でいくのはちょっとだけ気がひけた。
――そうだ、愛野先生が来てから取りにいけばいい。
するとしばらくしてドアが開かれ、誰かが入ってくる足音が聞こえた。
ぱっと顔をあげるとそこに立っていたのは愛野先生ではなく有明先生。
「さすがにそんなガッカリした顔は傷つくよ」
「あ、いえ・・・愛野先生かと思ってたんで・・・。もしかして辞書ですか?」
「うん、伝言聞きました」
「明日でもよかったのに」
彼は首をかしげてニコリと笑う。
大人のくせにかわいい顔して笑う・・・と思ったが瑞穂は男らしいマッチョが好きなので特別ドキリともしなかった。
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