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飛び出した瞬間、何かにぶつかった。
すごい音と共に強い衝撃が襲ってきた。
(頭…痛い…)
強く頭をぶつけたらしく、意識が朦朧とする。
「だ、大丈夫ですか!?」
そんな声が聞こえた気がした…。
…………………………………
「…ん…」
目を開けると、茶色い木の天井。
痛む頭を押さえながら身体を起こすと、今の自分の状況を確認した。
分かったことは、
自分が布団に寝かされていること。
畳張りの10畳ほどの部屋にいること。
まぁ状況と言ってもこれぐらい。
「何でこんな所に…?
…あ、そういえばあの時…」
何かにぶつかり意識が無くなりかけた時、慌てた声を聞いた気がしたのを思い出した。
「もしかしてあの人が助けてくれた…?」
「失礼します。」
色々と考えていると、声と共に障子が開いた。
ビクッとしながら目を向けると、ニコニコと効果音がつきそうな笑顔をした男性が入ってきた。
「よかった~♪急に飛び出してきてぶつかって、意識無くしちゃったからびっくりしましたよ♪」
そう言って笑う男性に、私は返事を返せなかった。
見とれてた(観察してた)から。
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