虐待

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「父親に音楽やってることがバレたらまずいから…どうしても秘密にしないとダメなんだ。 それに… 私はこうやって歌を唄えればそれでいい。 どんな形であっても、音楽ができるって幸せ。」 「桜音さ、軽音に入んないの?」 「もともとは軽音だったけど…父親が音楽は嫌いだからやめろって言われて…やめたんだ。」 「桜音はそれでいい? 父親に言われた位で納得できる?桜音は…音楽にたいしてそんなものなの?」 そんなもの…? じゃあ私は…殴られておけばいいの…? 「奏大に…私のなにがわかるの?!!好きに音楽やって!!好きに過ごしてきた貴方に…私のなにがわかるっていうの…? 私はッ好きな音楽をやめろって言われたとき…たくさん泣いて……たくさん苦しんで…もう希望すらないって思った…。 そんなに悲しんでる私が、なんでそんなものだとか言われなくちゃいけないの??!やりたいことを好きに出来ない私が、どうして文句を言われないといけないの??!」 「桜音ッ落ち着けって!」 「奏大に私の気持ちは分からない!!っていうかわからなくていい!!だから、もう私にかかわらないで!これ以上、私に傷を作らないで!! 嫌いッ親父も音楽も奏大もなにもかも!!大嫌い!!この世から消えてしまえばいい!! 私は何も望んでない!ただ普通に暮らして笑いたいだけ!!それを望んじゃいけないの??! 私は幸せになっちゃいけないの??!」 …止まらない。 今まで抑えていたものが溢れてくる… 奏大だけは傷つけたくない…! ・
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