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リビングに入ると香しい匂いが辺りを包んでいた。
「あっ、やっと来たわね。」
「すいません沙希さん、少し迷ってしまって。」
「まぁ良いわ、ほらそんなとこに突っ立ってないでこっちに来て座りなさいよ。」
沙希さんは隣の席をぽんぽんと叩きながら言う。
「この臭いは……」
僕は、席に座りながら言う。
「家のシェフに今朝食を作って貰ってるの。」
「この臭いからすると、タバラの郷土料理ですかね。」
「えっ?」
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