一章 記憶喪失

13/23
前へ
/67ページ
次へ
リビングに入ると香しい匂いが辺りを包んでいた。 「あっ、やっと来たわね。」 「すいません沙希さん、少し迷ってしまって。」 「まぁ良いわ、ほらそんなとこに突っ立ってないでこっちに来て座りなさいよ。」 沙希さんは隣の席をぽんぽんと叩きながら言う。 「この臭いは……」 僕は、席に座りながら言う。 「家のシェフに今朝食を作って貰ってるの。」 「この臭いからすると、タバラの郷土料理ですかね。」 「えっ?」
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加