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始まりは突然だった。
「………なぁ、シキ……」
「なんですか、ハルカさん?」
「私の婿候補を全員私の部屋に集めろ!!」
この一言が始まりだった。
「全員来たな……」
ハルカはそう言って、にやりと笑う。
何かを企むかのような笑顔だが、彼女の美貌の前ではその笑顔は不適なものではなく、花が周りに咲き誇るのではと思うほど美しかった。
「なんですか、私達をこのように集めて。」
シキの一言に、ハルカは答えた。
「私は今とても退屈だ。」
この言葉にその場にいた全員が首をかしげた。
まだハルカは言う。
「この天上宮ではお目つけ役兼婿候補のシキと話すか城の広場で音楽を楽しむか、または父上の仕事の手伝いをするかじいと勉強するしかない。私はいい加減に飽いた。」
そして、薄く笑うととんでもない一言を放った。
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