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「ぐへへへへぇ」
下品な笑い声と共に出てきたのは、拳銃
男はそれをアリスさんに向けた
「アリスさん!」
俺は思わず叫ぶ
いくら強くてもあれはどうしようもない
しかし、焦ったようすはない
「逃げて下さい!」
「うるさいわねぇ」
ふいに、隣から声がした
俺の必死の呼びかけに答えたのはアリスさんではなく所長だった
「なんであんたは静かにしてられないの?」
いやあんたに言われたくないし、ってか!
「なんで縛られてないの?」
所長は手首を擦りながら答える
床にはさっきまで所長を縛っていた縄が落ちていた
そんな事に気を取られてしまっていた時だった
パン!
乾いた発砲音が響いた
俺は振り返る
まず目に映ったのは拳銃から出る煙だった
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