2363人が本棚に入れています
本棚に追加
/326ページ
振り降ろした拳は山田の顔面にヒットした
そのさいに耳を塞ぎたくなるような音がしたが、俺は聞かなかったことにする
「あんたな結局、逃げてただけなんじゃないの!どうせ兄貴の為とか言い訳して!」
所長はもの凄い剣幕で叫ぶ
「確かに正当性はあるかも知れない、確かに兄貴の為になにかしらの制裁は必要だったかもしれない!でも!」
まるで感情の全てを声にしているような、
他の事を一切考えず、ただ相手に自分の声を聞いて欲しい。
それだけを願った
「自分の弟が犯罪を犯して兄貴が喜ぶと思ってんの!」
悲痛な叫びだった
最初のコメントを投稿しよう!