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男は、部屋の扉を開いた
そこには、うずくまった陽子がいた
自分が欲していた物
どうしても欲しかった、物
自分が愛し、しかしだからこそ答えてくれなかった『物』
そしてそれは今、自分の『物』
今は疲れているのかぴくりともしないが、自分の『物』になれば、元気がでるだろう
だって、自分はこんなに愛しているのだから
男は、とても優しい目で陽子をみる
「ごめんね独りにして。少し事故があったんだ」
事故とは、二回目の停電の事だ
それは、自分が起こしたものではない
いきなりの停電に少し焦ったが、いってみれば、なんの事はない、ただの電力の使い過ぎだった
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