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「まずあんたが陽子さんをさらった時点までは完璧だった」
俺はゆっくりと話す
「作戦といい、タイミングといい、こればっかりは俺の完敗だった」
これは、悔しいが事実だ
俺たちは、安心仕切っていた
パーティーの最中は人数が多く、そんな中で女性とはいえ人一人をさらうのは危険すぎる
そんなリスクを犯してまではしないだろう
甘かった
「電力を落とすって発想、そして手際の良さ。見事って言ってもいいだろう」
男は何も言わず俺の話を聞く
「普通なら、あの時点で俺たちはどうすることもできなかった」
一度は諦めたからな
「あんたを探すにしても、こんな広い校舎を探すのは無理だ。どう頑張っても、あんたは見つからない」
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