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「出てきてもらっていいですか」
俺は手招きして呼ぶ
連れてきたのは、
「……陽子」
男は、それを見て、まるで自分の恋人のように呟く
「黙れ」
俺は釘を刺す
「何様だ、てめぇにこの人の名前を呼ぶ権利なんてねぇんだよ」
俺は男を睨むが、男は俺が見えていない
必死に、熱い視線を送っている
俺はもううんざりしていた
そんな時
「陽子!」
男は立ち上がり、あろう事か、陽子さんに向かって突進してきた
「陽子おおぉぉぉぉ!」
がむしらゃらに、ただ純粋に、陽子さんに向かって来る
それを見た時、俺の何かが砕けた
「黙れって」
足を構え、体を捻り、そして出す
それは必殺の威力を持った蹴り技
「言ってんだろうがぁ!」
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