後始末

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> 「もしもし?帝架君?」 声の主は、依頼人、陽子さん いや、もうすでに事件は終わっているのだから依頼人はおかしいか 「もしもし?」 陽子さんは、俺が返事をしないために、不安そうに話かけてきた 「もしもし、帝架です、どうしました?」 「あっ、帝架君?」 俺がようやく返事をすると、陽子さんはうれしそうに言う そういえば、俺陽子さんに電話番号教えてないんだけどな 「どうしました?こんな朝早くに」 「えぇ、まぁ、なんとなくです」 陽子さんはそう言って軽く笑い、なんとなく電話の向こうの表情が分かりそうだ 「なんとなく、ですか」 「そう、なんとなくです」 俺は携帯を片手に、部屋にある机に上の物を片付ける 「もう準備はできましたか?」 陽子さんは訊く 「えぇ、準備って言っても、着替えただけですが」 電話の向こうで、陽子さんが笑う
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