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事務所を出て、俺と所長はやや早歩きで進んで行く
何故急ぐんだ?
急ぐくらいならもっと速く出れば良かったのに
そう思ったが言わずに変わり別の疑問を訊く
「何処に行くんすか?」
もうすぐ旧校舎を出てしまうのでこの辺りでは無いだろう
「まぁ黙って付いて来なさい」
そう言うと黙ってしまった
仕方なく俺も黙るしかない
無言の中、俺達はどんどん進んで行く
何の会話が無いのが少々気まずい
しかし
「…どうして今回の被害にあったのが生徒だけだったのか」
所長がいきなり喋り始めた
俺は何と返すが悩んでいると所長は淡々と喋り始めた
「生徒の親、兄弟、親しい他校の生徒、どれもに被害に合った人間はいなかった」
俺は黙って続きを待った
「そして、学年での被害の差」
「なんですか?それ」
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