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「あ。知念、ごめんちょっといい」
「…電話?」
「うん。ちょっと出てくるから」
高木くんはいきなり鳴り出したケータイを見ると、僕を膝から下ろした。
そして僕の頭を宥めるように撫で、席を立ってしまう。
楽しそうに電話をしながら、高木くんはわざわざ楽屋の外に出ていく。
その表情は嬉しそうで悲しそうで、幸せそうで辛そうな。よく分からないけど、思わずドキドキしちゃうような色気みたいなのがあった。
高木くんは時々こういう、ちょっとイヤラシい顔をする。
電話の相手は、彼女かな?
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