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「正式にメジャーデビューする事になったから、はっしーとは別れたいんだ」
高木くんの家に着いて部屋に入るなり、いきなりそう切り出された。
「…なに言ってるの?」
「なんか将来のこと考えたら、急にはっしーと付き合ってんの怖くなって…」
「なんだよそれ!勝手すぎるよ!」
高木くんは、飄々とした態度で世間話でもするような振る舞いだった。
僕はびっくりしたのと、悲しいやら悔しいやらでワケがわからなくて、高木くんに掴みかかる。
「ごめん。でも、お前のためでもあるんだよ」
高木くんは僕を宥めようと、まるで小さな子供にするように頭を軽く撫でてきた。
変に年上ぶるその態度にカチンときて、その手を強く振り払った。
高木くんは一瞬泣きそうな顔になっていたが、僕はそれを気にとめる余裕もなかった。
手を軽く引かれ「ちょっと座ろう」とベッドの上に並んで座らされる。
「はっしーはまだ子供だから、ちょっと変な勘違いしてるだけなんだよ」
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