序章 始まりの言葉

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私の隣りにいた泉が嫌な顔をした。 小野寺泉(おのでらいずみ)。 私の親友だ。 生真面目な泉は大門を嫌っていた。 どうやらその風貌が気に入らないらしい。 泉の露骨な嫌がり加減と、それに全く気付く余地のない大門に溜め息が出てくる。 「また告白されたとか?」 詰め寄って来た大門に嫌味たっぷりで言ってやる。 大体、誰が好き好んで好きな奴の恋バナを聞かなならんのだ! それも懲りもせずにやってくる。 しかも毎回毎回同じよーな話。 告られて断ったら泣いた、怒った、殴られた。 いい加減飽きるっつーの!! 今回もそうだと思ってたのに……意外にも大門の切り換えしは違ってた。  
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