序章 始まりの言葉

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「おう!!」 やっぱりな。 心の何処かで私はそう思った。 けど問題はそこじゃないらしい。大門の話は続く。 「告られたよ。2組の子にって……そうじゃなくてっ!!」 大門はそう言いながら私の前の席に後ろ向きに座った。 私の隣りには大門を睨みつけるように泉が立っている。 その他の生徒は遠巻きに私達の様子を窺っている。 さっきも言ったけど大門はモテる。モテるけど近寄り堅いらしい。 だから大門と普通に話せる人は男女共に少ない。 この時ばかりは優越感を感じる。 「そうじゃなくて?」 周りの様子を肌で感じながら私は大門の話に耳を傾けた。  
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