序章 始まりの言葉

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  「おい?桜日?」 大門が私にもう一度声をかけた。その声でハッと我に帰る。 そして最後に辿り着いた解答を大門に返した。 「聞いてるよ。てか今更初恋?ダサいから。」 冷めた風に言った。 けど気持ちは尋常じゃなかった。態度に出ないようにするので精一杯。余裕なんてない。 胸は締め付けられて苦しいし、鼓動は変に早い。頭はボーッとするし、視界には現実味がない。 重傷だ…。 「ダサいとか言うな!」 「桜日の言う通りだね。」 「うるせぇよ、小野寺泉。」 大門と泉が啀み合う。 それを呆れたフリをして見ていた。  
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