回収

3/5
前へ
/63ページ
次へ
「殺してくれぇーー!」 俺はそう叫んだ。 だが、それは本心では無いことに気づく。 なぜなら本当に死にたいのなら自分で死ねばいいのだから…。 そう、俺には自分で自分の命を絶つ勇気なんて無い。 俺はこの期に及んでも怖いのだ……、死ぬのが。 俺はもう何をしていいか分からず、ただ空を見上げた。 「綺麗だ……。」 無意識に出た言葉に自分で驚く。 こんな時に俺は何を言ってるんだ……。 そう思った時、目から涙がこぼれ落ちた。 三年前も今も空は全く変わって無い。 なのに俺の人生は三年前と今とでは全てが変わってしまった。 俺と空とではどうしてこんなにも差があるんだよ……。 その時俺は空を憎み、自分が人間であることを悔いた。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

294人が本棚に入れています
本棚に追加