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しかし、ザフトとの戦闘で淡い憧れを抱いていたフレイ・アルスターの父であるジョージ・アルスターを、守ると約束したにもかかわらず死なせてしまい、彼女にコーディネイターへの偏見に満ちた言葉で罵倒されたことや、自分の活躍に感謝してくれた少女の乗った民間船を目前で撃墜されるなどの出来事が重なり、キラの精神は大きく不安定になり始め、守るためには「敵」を撃たねばならないことを痛感する。
戦争を忌避する気持ちとは裏腹に、ただ一人MSが操縦できるキラが戦場で命を懸けるという状況が続く中、唯一キラを気遣うフレイに精神安定を求めて縋りついていくようになるが、フレイは父を守れなかったキラと全コーディネイターへの復讐のため、キラを戦いに仕向けようとしていただけであった。フレイとの利害の一致した、愛情をともなわぬ頽廃的な関係に拍車をかけられるようにキラは戦闘に没入していき、キラはコクピットの中で生活するようになるまでに、精神的に追い詰められていく。
しかし砂漠でゲリラ活動に身を投じていたカガリ・ユラ・アスハと出会い、ナチュラルでありながら、コーディネイターに対し差別の目をもたない気さくな彼女とのアークエンジェルでの生活により、序々にキラ本来の人格が取り戻されていき、フレイを拒絶し、別れを告げる。また砂漠で戦闘を交えた、ザフト軍北アフリカ駐留部隊率いる『砂漠の虎』ことアンドリュー・バルトフェルドとの邂逅を通じて、キラは再び敵を撃つためだけに戦い続けることへの疑問を抱くようになる。
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