日常から非日常

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――キーンコーンカーンコーン 午前の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。 この音を聞くと一気に解放感を抱くのは全国共通だな。 「さてっと……どうするかな」 紅哉は大きく伸びをした後に、昼食をどうするか考えていると、何やら話し声が聞こえた。 「ねぇねぇ聞いた?隣町で死体が見つかったって話し」 どうやら、噂話しをしているみたいだ。 女子二人が教室の隅で噂話しをしている。 「なんでもその死体、腹部に大きい槍か何かで刺されたような傷があるんだって」 「え?それじゃあ殺人事件なのかな?」 「その可能性が高いんじゃないかな?けど、普通じゃないよね。そんな大きい凶器、どこにあるのかしら」 (物騒な話しをしてるなぁ……) そんなコトを考えていると、白が話し掛けてきた。 「紅哉っ!」 「おわっ!?」 いきなりだった為、紅哉は肩をビクっと上下させながら驚いた。 「何ボーっとしてんだよ?」 「あ、いや。ちょっと気になる噂話しをしている女子がいてさ」 「噂話し?」 「お前は知ってるか?隣町の殺人事件」 紅哉がそう尋ねると、 「あぁ、あの腹にでっかい穴が開いてるってやつか?」 どうやら知ってるみたいだ。 「物騒だよな。しかも、死体の傍には白い羽が沢山落ちてるみたいだぜ」 「羽……?」 (鳥でも近くに飛んでたのか?) 「ま、詳しいことは現在調査しているみたいだぜ。 そんなことより、学食でも食いに行こうぜ!」 白にそう言われて、紅哉達は食堂に向かった。
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