20人が本棚に入れています
本棚に追加
好奇心から、声をかけた。
思ったとおり反抗的な態度。
『可哀相』という感情以外で接してくれたのが嬉しかった。
「良いよね?君はまだ、目だけでさ」
皮肉のつもりだった。
「目だけでも辛いわ!今までキレイだと思っていたものが、もう、見えないのよ!?」
その考え方が面白かった。
「ねぇ、幸せのハードルを下げてごらんよ。生きてて良かったって思わない?」
『死』をお試しで体験したことのある僕からのさらなる皮肉だった。
「幸せの、ハードル…?」
何故か皮肉は効かず、少女は素直になった。
その変わりようもまた、おもしろかった。
「ねぇ…あなた、名前は?私と話さない?」
興味を持たれた。
「可哀相」以外の感想を与えられたのは初めてだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!