少し、白が混じった。

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好奇心から、声をかけた。 思ったとおり反抗的な態度。 『可哀相』という感情以外で接してくれたのが嬉しかった。 「良いよね?君はまだ、目だけでさ」 皮肉のつもりだった。 「目だけでも辛いわ!今までキレイだと思っていたものが、もう、見えないのよ!?」 その考え方が面白かった。 「ねぇ、幸せのハードルを下げてごらんよ。生きてて良かったって思わない?」 『死』をお試しで体験したことのある僕からのさらなる皮肉だった。 「幸せの、ハードル…?」 何故か皮肉は効かず、少女は素直になった。 その変わりようもまた、おもしろかった。 「ねぇ…あなた、名前は?私と話さない?」 興味を持たれた。 「可哀相」以外の感想を与えられたのは初めてだった。 .
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