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目を開けると、やっぱりそれは白い天井だった。
真っ青な空とか、
真っ白な雲とか、
虹色の風景とか、
そういった解放的なものを少し期待していた。
『まだ生きてるんだ』と『また死ねなかったんだ』が混じり合っていた。
ふと、ベッドの脇の棚にあるシンプルなデジタル時計を見た。
それは時間だけでなく、日付と曜日も表示してくれる。
銀色のザラザラとした時計。
2年前に母親からもらった時はもっとピカピカとしていたけれど、
自分の姿が光を屈折して映るのが嫌で、わざと傷を付けた。
そのデジタル時計は僕が発作を起こしてから三日過ぎていた。
ただでさえ少ない時間。
無駄に過ごしたようで悲しかった。
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