多分、灰色。

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僕の病気が見つかったのは小学4年の時だった。 転びやすくなったり、物をよく落としたりしていたら、心配性な母さんが病院に連れて行った。 昔のことだからその時どんな検査をしたかは忘れたけどね。 検査をして数日後、母さんが病院から話を聞いたらしい。 急いで帰って来たあと、母さんは僕を抱きしめて泣いていた。 「可哀相に、遊。可哀相に…」 母さんは口癖のように、僕を見ては『可哀相』とつぶやく。 ねぇ… 母さん… その言葉を言われる度に僕は『生きたい』も思わなくて、『希望』さえ持たなくなったんだよ? 僕はなんのために生まれてきたのか。 『可哀相』と言われるために生まれたのか。 僕ってなんだろうね? 分からなくなったんだ。 .
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