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母さんは毎日泣いてた。
僕は泣いていないのに。
不思議なもんだね。
目の前で泣いている人がいると、泣けなくなるんだ。
何が原因か、父さんと母さんは毎日ケンカし始めた。
「遊が可哀相だろ!?」って、父さんも言ってた。
病院でも父さんと母さんがケンカをしているのを知った看護士や医者たちが僕をまた「可哀相」だと口々に言っていた。
どうしてなのか。
僕がどうやって生きれば良いのか、
僕がまわりの大人たちにどうやって接すれば良いのか、
ますます分からなくなった。
僕がひねくれたのはそれが原因かもしれないね。
同級生たちも先生たちも僕に同情の眼差しを向ける。
それに耐えられなくなって、学校さえも行きづらくなった。
笑えるよ。
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