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「あるとも」
とりあえず、ないと答えたら何か話が発展していきそうなのでとりあえず答える。
「それって、なに?」
「ねえ」
もくもくもくもく
「ねえ」
もくもくもくもく
「ねえ」
もくもくもくもく
「ねえ」
もくもくもくもく
「ねえ」
もくもくもくもく
「ねえってば!」
もくもくもくも……
「弁当を食べることに熱中している」
痺れを切らした目の前の女の子(クラスメイトだが、名前を覚えていない)にそう答えると、彼女は信じられない、といった顔で僕を見る。
「信じられない……この世に何にも熱中したことのない人がいるなんて……」
信じられないといった顔をした彼女は口でも信じられないと言い、更には両手を上にあげて、そこでも信じられない、といったジェスチャーをする。
その間に黙々と弁当を食べていた僕は、最後の一口を食べ終わって、弁当の片づけをはじめた。
「ねえ、何にも熱中しないって、どういう気持ちなの?」
「ごちそうさまでした」
片付けを終えたので、早々に立ち去ろう。どうやら彼女は僕の返答がどちらにしろ話を広げる気だ。
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