桜の木の下で…

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差し出してきた手をとり、立ち上がると、ニッコリ笑って相手を安心させる夢樹。 ?「ホンマにごめんな!俺が前見てなかったから……。怪我とかしてへんか?」 夢樹『大丈夫ですよ。それより…』 ?「……?」 夢樹『職員室は何処でしょう?』 ?「もしかして、転校生か?」 夢樹『ええ。今日からここの3年になります』 謙也「じゃあ、俺と一緒やな!俺は忍足謙也ゆぅんや。よろしゅうな」 夢樹『私は冬灯夢樹です。ところで……』 謙也「何や?』 夢樹『職員室まではどう行けばいいですか?』 謙也は少し考えこんでから夢樹に笑いかけた。 謙也「俺が連れて行ったるゎ」 どうせ、もう部活の朝練は終わってしまうし。 そうつけたし、夢樹を連れて歩き出す。 一緒に歩いていれば、嫌でも気付く視線。 そのうち、女の視線は自分に向けられたものだろう。 けれど、男の視線は…。 (冬灯に向けられてるんやろな) この【冬灯夢樹】という少女は目立つ。 はっきり言って、美人だ。 桜の木の下で、静かに佇む彼女も目を逸らせない程綺麗だった。 (つっても、ぶつかる直前に見ただけやねんけど) .
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