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それから数日。
マキは学校が終わるといつものように、リュージの家へ赴き夕食の支度..
そんな生活を続けていた。
そんな折り、中学時代からの親交のある私の元へやってきた。あのプリクラを携え。
実は少し前、マキはリュージとの子供を堕ろしていた。
『生みなよ!』とまわりの友人が言うなか、
『今産んで生活できるわけないじゃん。
産むなんてやめときな。まだ高校生だよ?
今回は絶対に堕ろすべき』
そうわたしは猛反対した。
わたしと会うや否や、マキはあの不気味なプリクラを見せてきた。
『‥後ろの物体は何ですか?(∵)』
『知りません(∵)』
公園の砂場にしゃがみこみ鳥のさえずりだけが響く──
『‥‥なんの悪戯?(∵)』
『知りませんて(∵)』
霊感0!!
『しかもね、爪がどんどん伸びてるの』
『あー、このとんがりコーンみたいなの?』
『うん』
そう、
あの日から爪は伸び続け、3倍もの長さになっていたというのだ。
『こえーよ!!お祓い行けし!!』
『うん、来週の日曜日に行ってくるよ(ω;)』
『あ‥でも一枚ちょうだい(∀)』
『いいけど‥多分なくなるよ?』
無くなる‥‥?どう言うことかと訊ねると、
『実はね、何人かにあげたんだけど‥みんな無くしてんのよ』
不思議な事に、ノートにしっかり貼ったはずのプリクラが、何もなかったかのように消えてしまうというのだ。
『大丈夫!』
わたしはそう一蹴すると、頭にかけていたサングラスにプリクラを貼った。
『絶対になくさないから見ててよ』
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