『女』

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どうにも、調子が狂う。   彼女の言ってることが、嘘か本当かは分からないが、この際、どっちでもいい気がした。   「それより…いくら夏とはいえその格好じゃ風邪をひく。 確か、車にタオルが積んであったはず…あ、誓っても襲ったりしないから!」   パッと掴んだままだった手を離し、両手を上げて見せると、女はクスリと笑った。 正直、全く状況を飲み込めていなかったが、とりあえず、海から出ることの方が先決だということは理解していた。
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