『靴』

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何かの叩き売りか…。   当然「いらない」と断ろうとして、部屋で待つ女の片方だけの真っ赤なハイヒールを思い出した。   小柄な彼女なら、サイズも合うかもしれない。   あの不似合いな、赤いハイヒールより、こっちの方が似合いそうだ。   だが、4万もの大金を、出会ったばかりの女に使うなんて   「いいよ。買ってやる」   ……どうかしている。   こうして、僕はコンビニ袋と、靴の入った紙袋を下げて、アパートへ戻ったのだった。
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