『雨』

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一心不乱に、彼女を求めて、彼女もまた、僕を求めた。   布を切り裂くような、彼女の嬌声に追い詰められていく。   幾度となく、欲望を吐き出しては、馬鹿みたいにもがき喘ぐ。   潮の香りに、狂ってしまいそうだった。   ………夜が明けるまで、ずっと彼女を強く抱いたまま離さなかった。
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