『泡』

2/10
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
―――翌朝。   彼女は消えていた。   いつの間にか、死んだように眠ってしまっていた僕が、目を覚ました時には、すでに彼女の姿はなかった。   慌てて、狭い部屋を隅々まで探した。 外に飛び出し、恨めしい程に澄んだ青い空に、茹だるように照り付ける炎天下の中を探し回った。 だけど、手掛かりすら見つからないまま部屋に戻った。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!