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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「篠――――っ!」
昨日と同じ場所で寝っ転がっていると、上から聞き覚えのある声がした。
「おぉ、大……」
「大丈夫か」と聞こうとした俺は、駆け寄ってきたアリスの赤く昨日よりも澄んだ目を見て、声をかけるのを止めただ頭にポンと手をのせた。
「!っ」
アリスのビクッとした体を見て、俺はさらにその頭にのせた手でわしゃわしゃと帽子から強引に撫でた。
「…ま、どんな別れも辛いもンだ。なぁ?」
慰めるなんてうまくできないから、そんな言葉と少しの笑顔をかけながら終わらせた。
「…っうん」
アリスは涙を堪えも隠しもせず、でも顔だけは笑顔で答えてくれた。
しばらくし一息つくと、ようやく俺はアリスを家に連れて行った。
…別に家という程のものでもないが。
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